学級だより

教師。学級で語ったことを、記録していこう。

限界

   ノミは、あの小さな身体で1フィート(=30㎝)以上ジャンプすることができる。ところが、そのノミをビーカーに入れガラス板で蓋をすると、跳び上がってはぶつかるというのを何度も繰り返すうちに、やがて、ガラス板の少し下までしかジャンプしなくなり、それは、ガラス板を取り外しても変わらないという。もう、障害はないのに、小さなビーカーの中で、たかだか数インチのジャンプを繰り返すのだ。自分にはその何十倍もの力があるとは夢にも思わずに。

   さて、あなたにとってのガラス板は何だろう?あなたは、いったい自分の力の何分の一のところにガラス板を置いてしまっているのだろう?そしてそれは、本当にそこにあるのだろうか?

  かつて、人間の100メートル走の限界は十秒だといわれていた。ところが、手動による記録とはいえ、ボブ・ヘイズが、九秒九を記録すると、次々に9秒台の選手が現れた。

  かつて、100メートル自由形水泳の限界は1分だと言われていた。ところが、ジョニー・ワイズミュラーがその壁を破って半世紀、いまや世界記録は47秒台だ。自分の可能性に限界を設けてはいけない。たとえ誰が何と言っても、これまで誰があなたに何と言ってきたのだとしても、あなたにはもっと可能性がある。

  一生をこのままビーカーの中で過ごすのか?それとも、可能性を信じてやってみるのか?さあ、もう一度跳んでみよう。そして、跳び出そう。あなたが跳び出したとき、きっと他の人たちもいっせいにあとに続くだろう。