学級だより

教師。学級で語ったことを、記録していこう。

思いやりってなんだろう。

 

 今日は私の大好きなエピソードを紹介します。

 

  これは、小学4年生のあるクラスで起こった出来事です。けんかや争いが絶えず、先生ですら手を焼いているような男の子がいました。でも、このK君は自分より弱い子や女の子には決して乱暴したり、悪口を言ったりはしませんでした。

 しかし、ある日、K君が突然、同じクラスの女の子に、バケツの水をかけたのです。先生は大変怒り、職員室にK君を呼んで、理由を聞きました。しかし、K君は何も答えませんでした。先生は仕方なくK君を廊下に立たせました。

 一方、バケツの水をかけられたのはなぜなのか、女の子に事情を聞こうとしましたが、泣いてばかりいます。とうとう事情はわからないままでした。

 

 それから10年。20歳になり、同級会があったときのことです。あの時の女の子が話し始めました。

 「私は4年生のとき、K君にバケツの水を頭からかけられたことがあります。実はあの時、私はおもらしをしていたのです。イスもズックも濡れていました。でも、K君が水をかけてくれたおかげで、みんなに気付かれずにすみました。」